政策③

つくる前に、数える。
常に学ぶ議会。

10億円以上の事業は、建てる前に収支を公開し、第三者が数えてから議会へ。約束と結果の答え合わせを、議会に毎年届ける。

つくる前に積み木を虫めがねで確かめる人の手描きイラスト

ここで、何が変わるか

子どもにとって30年で5兆円の修理代を、黙って背負わされない
  • 市の建物と水道の修理・建て替えは今後30年で約5兆円(年平均約1,700億円、市の試算)。今つくる建物の維持費は、子どもの世代が払う
  • 10億円以上の事業は、30年の維持費を先に公開してから決める
  • 小中高生も、市民限定のSNSで「この施設に人は来るか」を予測できる(政策②)
高齢者にとって福祉に回るお金が、建物に消えない
  • 自由に使えるお金は年1,156億円(歳出の10%)。建設財源の46%は市債=将来の固定費の予約
  • 来る人が予測より少なかった施設は、赤字を毎年、市の財布から埋め続ける。財布は一つなので、その分だけ介護や見守りに使えるお金が減る
  • 3年後・10年後に「約束と結果」を並べて公開する。答え合わせを制度にする
現役世代にとって税金の使い道が、着工の60日前に見える
  • 収支計画・損益分岐点・需要予測の前提を、議会に出す60日以上前に公開
  • 市民は事業の数値(3年後の利用者数など)を予測でき、行政の予測・類似事業の実績と並べて議会に届く。お金は賭けない、賞品もなし
  • 議会の権限は縛らない。市長が自分に課す手続き

なぜ、やるのか

700件市議会は2024年2月〜2026年9月の14会期で、市長提出議案700件を否決0・修正0。止まった事業は、議会の反対か報道の発覚で止まった
0件着工前の市のルールで止まった事業。福岡市の第三者評価は国の補助事業の途中と完了後だけで、市独自の事前評価はない。北九州市にはある
約218億円人工島で市が自分で買った土地(確認できた分)。「完売・152億円の黒字」の中に入っている。市が自分で買った分を差し引いた収支は、市から公表されていない

借金は、量より使い道

借金は、量より使い道で判断します。福岡市の市債残高(全会計)は2004年度の2兆5,882億円を頂点に減り続け、2025年度末は1兆7,065億円、市民1人あたりでは191万円から105万円になりました。返済(公債費)は年910億円で、一般会計の8.0%です。ここは前市政の実績として、そのまま引き継ぎます。ただ、市の人口は2040年ごろの約170万人を頂点に減る見込みで、人口が減れば同じ残高でも1人あたりの負担は増えます。だから新しいハコモノは建てず、市債は、将来も使う人がいる学校・公民館など今ある施設の更新に限って使います。市債の目標は総額ではなく「市民1人あたり」で置き、毎年の予算と一緒に公開します。

数字:福岡市「財政のあらまし」(令和7年度決算、2026年9月。市債残高は満期一括積立金を除く全会計、1人あたりは住民基本台帳人口で除した市の公表値、公債費910億円・一般会計歳出の8.0%)、福岡市「将来人口推計」(2024年4月、2040年頃に約170万人でピーク)。→ 出典の一覧

常に学ぶ議会

市議会は、市長の提案に疑問を投げ、修正させ、止める権限を持っています。その権限が、2024年2月から2026年9月までの14会期で、700件の議案に一度も使われていません。議員が悪いという話ではなく、判断の材料が先に出ていないという話です。関所は、議会の代わりではなく、議会が判断する前に数字をそろえて出す仕組みです。

議会は、働いていたか止まった3件と、止まらなかった700件
止めた例はある。ロープウェイ構想(2019年3月)。博多駅とウォーターフロントを結ぶロープウェイの検討費5,000万円を、市議会が予備費へ移す修正案を39対20で可決。最大会派の自民党市議団などが「議会軽視」と批判し、市長は断念した。議会が権限を使って止めた例。ただし止まったのは、調査費が予算に載ったあと。
報道で止まった例。新しい清掃工場(西部)の入札。業者を選ぶ委員と応募企業のつながりが発覚し、入札はやり直し。稼働は1年遅れた。止めたのは議会ではなく、報道と発覚。
市況で止まった例。ウォーターフロント再整備。頼みのクルーズ船が年328回から208回に減り、構想から10年たっても民間開発は始まらなかった。誰かが止めたのではなく、前提が崩れて止まった。
そして、700件。2024年2月から2026年9月までの14会期で、市長が出した議案700件は否決0・修正0。議員が働いていないという意味ではない。修正案を出すには、収支や需要予測の根拠が要る。その材料が、議会に出る前に公開されていない。関所は、議会に材料を渡す仕組みで、議会の代わりではない。

出典:福岡市議会「議案・会議結果」(令和6年第1回〜令和8年第4回)、市の公共事業再評価等の公表資料、各事業の採点は「16年の振り返り」(見える化ページ)。ロープウェイの表決は2019年3月13日の本会議。

どうやって、実現するか

関所条例の骨子(案)

市の事業の案 10億円以上(分けても合算)。風の谷も通す 関所 計画書を公開 予算に載せる前に、だれでも見られる形で 収支計画 損益分岐点 需要予測の前提 30年の維持費 撤退基準 第三者委員会市民の意見市民の予測 条例で置く。7人利害関係者は外す会議は公開 公開から30日以上意見と、市の答えを公表する 利用者数などを予測お金も賞品もなし一人一つ。匿名で 実施・条件付き・再検討 行政の予測と並べる 議会へ 計画書・答申・市民の意見・市民の予測を添えて 公開から60日以上あとに。「再検討」でも理由を書けば出せる 議会が決める → 着工 答え合わせ 3年後と10年後に、約束と結果を並べて公開 予測の外れも公開し、毎年、議会に報告 外れた理由を、次の計画書の型に反映
骨子の表対象・時期・公開する項目・委員会・市民の予測・議会・答え合わせ・例外
項目中身
対象市のお金が10億円以上の施設の新設・大規模な建替え・土地の取得・長期契約(PFI・リース等)。分割して逃げられないよう、複数年度・複数契約は合算。10億円未満でも市長が指定できる(風の谷はこれで通す)
時期予算に載せる前。国庫補助事業は国への要望の前
公開する項目収支計画、損益分岐点、需要予測の前提と根拠、30年の維持費、撤退基準(何がどうなったら止めるか)、類似事業の実績(参照クラス)
第三者委員会条例で置く附属機関。委員7人程度、公募を含む。利害関係者は議事に参加しない。会議は公開。答申は「実施・条件付き実施・再検討」
市民の予測事業の数値(3年後の利用者数など)を市民が予測できる仕組み。参考意見で拘束力なし。お金は賭けない・賞品なし・一人一アカウント・表示は匿名。関係者は申告して別集計
議会への提出計画書・答申・市民意見・市民予測を添えて出す。公開から議会まで60日以上。「再検討」の事業を出すときは、理由を書面で
答え合わせ供用3年後と10年後に、約束と結果を並べて公開。予測の当たり外れも公開
例外災害復旧、法令で期限のあるもの。例外にした件数と理由は全件公開

決めていないこと:基準額を10億円のままにするか(年に何件あるかを予算書で数えてから)。「損益分岐点を示せない事業・B/Cが1未満の事業は市長が出さない」という足切りを入れるか(北九州市型)。

工程

  1. 2026年12月〜2027年3月(最初の100日):条例案の骨子を公開する。北九州市・横浜市に職員を送って運用を聞く。先行して要綱で、2027年度予算の10億円以上の新規事業と、風の谷1号地の収支計画を、同じ項目で公開する
  2. 2027年4〜6月:パブリックコメント(30日以上)を経て、6月議会に条例案を出す(附属機関設置条例の改正も同時)
  3. 2027年10月:施行。第三者委員会を置く
  4. 2028年度予算から:本番適用。答申と市民の予測を添えて予算案を出す。市民の予測は、市役所アプリの整備に合わせて2028年度から
  5. 2030年:4年目の見直し
100%
10億円以上の新規事業のうち、予算化の前に計画書と答申を公開した割合(2028年度予算から)。いまは0%
60日以上
計画書の公開から、議会に出すまでの期間
3年後・10年後
対象事業の全件で、約束と結果の答え合わせを公開
年約0.2〜0.4億円
委員会の報酬(委員 日額11,000円)、外部専門家による需要予測の検証、市民予測の仕組み(見積もり)。10億円の事業を1割見直せば、数年分に当たる

「止めた件数」は目標にしません。関所の目的は止めることではなく、判断の材料を先に出すことです。議会の代わりではなく、議会が判断する前に数字をそろえて出す仕組みです。

出典