2026年10月29日
福岡市長選 立候補取りやめのお知らせ
2026年10月29日 永澤幹太(ながさわかんた)
11月1日告示の福岡市長選挙への立候補を、取りやめることにしました。
支えてくださった皆さまへのお詫びと、判断の理由、これからのことを、できるだけ省かずに書きます。長くなりますが、読んでいただけるとうれしいです。
なぜ出ようと思ったか
私がこれまで投票してきた選挙では、国政、県政、市政、どの選挙でも、顔と名前とスローガンの情報だけで判断し、一人の有権者として、投票を行ってきました。
その原因は、現実的な政策やその根拠を早い段階で示す政治家を認知できなかったこと、私自身の知識や教養の不足、両方があったと思います。
選挙は、認知の取り合いという面が強いと感じています。行政サービスを必要とする人と、政治への関心が高い層に向けて、候補者が発信を絞るのも、その一つだと思います。それ自体を否定はしません。ただ、民主主義の質は、政治家の質と同じくらい、民意の質にも左右されるのではないか。そう考えてきました。
そこで、具体的な未来予測、課題整理、仮説と政策、根拠の数字を伝え、市民が考えを巡らせることができる情報発信を行う、市民に考えさせることができる、そんな政治家がいたらいいなと考えていました。
これは私の信念ですが、誰かに任せるだけで、文句を言うだけの大人にはなりたくない。その一点で、自分で引き受けて考えることにしました。
また、娘が二十歳になる20年後の福岡は、どう未来予測しても、市や国という公共の側はディストピアになる予想しかできませんでした。福岡に都市成長の余力があるうちに、成長しなくても、危機に備えて、みんなで豊かに暮らせる街であってほしい。そのための方針と政策を、金額と財源つきで15項目にまとめ、HPで公開しました。
この数か月でやったこと
私、ながさわかんたは、庶民として選挙に向かう活動に初めて取り組みました。
そして、自分の政策も含め、顔とスローガン以外の情報が市民のみなさまに伝わるように、各候補者の方とできるだけコミュニケーションをとるよう心がけてきました。その結果、「ノーカット福岡」という番組が実現し、自分も出演者として関わりました。規模はまだ小さいですが、一定の支持やシェアをいただいています。
また社会実験として、組織づくり、人間関係の調整、コンサルを雇う資金力、これらがなくても手は挙げられるということを示したく、仕事も止めずに「0円DIY選挙」という裏テーマを貫きました。
政策の作成、HPの作成、SNSの運用、各社の調査票・アンケートへの回答(西日本新聞、朝日新聞・KBC、読売新聞、毎日新聞、NHK、FBS、RKB、テレQ、TNC、時事通信、選挙ドットコム、ReHacQ九州)、市民団体からの公開質問状への回答、街頭と対話の場、ハマちゃんねる・IROIROの会・ReHacQ九州のワンショットインタビューと10月28日の公開討論会への出演。討論会では13人の候補予定者の方と、同じテーブルで3時間半、政策を話しました。
生活相談、対話会、アンケートに代表される、政治家が八方美人に市民の相談窓口となることには、私は抵抗がありました。相談する側も、政治家に相談に来られるくらいコミュニケーション能力が高く前のめりな方しか、基本的には集まらないからです。それでは、声が大きい人の民意しか政治家は受け取れず、民意の上積みの部分しか認知できません。どうしたらいいのか明確な答えは分かりませんが、私は今回、自分の考えをまとめた上で、それを市民の方に目の前で評価いただき、その対話のプロセスを動画に収め、SNSにほぼノーカットでアーカイブしていく、ドキュメンタリーの手法を用いました。
なぜ取りやめるのか
理由は2つです。候補者が乱立したことで、有権者の民意がうまく反映されない状況にあること。そして、自分が10%の得票を得て政策を実現させる確率が非常に低いこと。この2つを解決するために、身を引く決断をしました。
13人のうち6人が「成長が一人ひとりに届いていない」を一番の課題に挙げていました。私もそうです。同じ課題を見ている候補が多いほど、票は分かれ、結果は民意からずれます。自分の政策は、自分が市長にならなくても実現する道があるはずです。それなら、票を分ける側に立つより、実現する側に回るほうが筋が通ると考えました。
私の性格上、自分が主役になりたいという野心はほぼなく、とにかく政策が実現し、悲観的な未来シナリオに向かわないことが第一の優先事項でした。
神野元基さんについて
討論会で「最も共感でき、頼れると感じる方をおひとり見つけた」と述べました。その方は、神野元基さんです。
理由は3つです。
ワンショットインタビューの動画と討論会を通して、私が目標とする政治家像にもっとも近く、具体的な根拠に基づいて分かりやすく伝える力と、合意形成をまとめる力が、他の候補者より秀でていたこと。
政策には私と相反する部分もありますが、論理的な思考で合理的な判断を柔軟に行える方だと感じ、私の政策についても検討してくださる余地が最もありそうなこと。
そして、自分の力で成功を切り開いてきたキャリアに、反骨心としがらみのなさを感じたこと。
この3つです。
神野さんとは討論会当日が初対面で、事前の打ち合わせや根回しはありません。この表明は私ひとりの判断で、神野さんに何かをお願いしたことも、何かを約束されたこともありません。
告示前なので、ここでは私の評価を書くにとどめます。
私の政策はどうなるか
消えません。HP「方針と政策」の15項目は、数字と出典ごと公開したまま残します。
そのうち、次の4つは、金額と財源をつけて神野さんに提案します。
1. 小学校を、停電しても水と電気が3日止まらない校区の拠点に(7校4年で4〜6億円、国の交付金で約半分)
2. 先生の仕事から事務を外す(定型事務を1/10に、4年で15〜30億円、情報システム予算の組み替え)
3. 使えていない市のハードをフリースクールへ無償提供し、利用料を下げる(新規予算ほぼゼロ)
4. 10億円以上の事業は、着工前に数える(制度設計のみ、北九州市に前例)
成長観や空港線延伸、保育料無償化では、神野さんと私の考えは違います。その違いは隠さず、「届ける手段」として渡します。誰が市長になっても使える案です。
ご寄附について
15人以上の方から、ご寄附をいただきました。一人ひとりのコメントやメッセージを、全部読んでいます。
募集時にお伝えしたとおり、政治団体への寄附という性質上、返金はできません。後援会で大切に保管し、4年以内に、福岡地域の選挙にもう一度挑戦するための資金に充てさせていただきます。使い道は政治資金収支報告書とHPで、1円単位で公開します。
寄附をいただきながら選挙戦の前に降りることについて、言い訳はしません。申し訳ありません。
支えてくださった皆さまへ
後援会のLINEに登録いただいた皆さん、討論会に同行してくれた仲間の皆さん、取材や出演の機会をくださった各社と番組の皆さん、公開質問状やアンケートで問いを投げてくださった団体の皆さん、里山とmieに来てくれる子どもと大人の皆さん。本当にありがとうございました。
提出済みのアンケートと調査票は、各社・各団体に取り下げをお願いしています。回答を辞退することになった団体の皆さまには、個別にご連絡します。
これから
候補者ではなくなりますが、やりたいことは変わりません。
小学校を、焚き火も起業もできる地域の拠点に。不登校の子に、学校の外の居場所を。10億円以上の事業は、着工前に数える。
NPO法人mieと里山の活動は続けます。4年以内に、福岡地域の選挙にもう一度挑戦します。
告示のあとは、一人の有権者として、自分の考えを改めてお伝えします。
数か月、見ていてくださって、ありがとうございました。
一市民として、続けます。
永澤幹太
ながさわかんた後援会
kanta.nagasawa.support.group@gmail.com